
ノーウッド分類AGA進行度基礎知識診断
ハミルトン・ノーウッド分類とは?AGAの進行度7段階を医師が解説
ハミルトン・ノーウッド分類とは
**ハミルトン・ノーウッド分類(Hamilton-Norwood Classification)**は、男性型脱毛症(AGA)の進行度を評価する世界的な標準指標です。1951年にハミルトンが原型を発表し、1975年にノーウッドが改訂して現在の7段階分類が確立されました。
7段階の進行パターン
Type I(ステージ1)
- 正常〜ほぼ正常
- 生え際はしっかりしている
- AGAの兆候はまだ見られない
Type II(ステージ2)
- 生え際の両サイドに軽度の後退
- M字型が微妙に見え始める
- 多くの成人男性に見られる「軽度」の状態
- 治療開始の判断時期
Type III(ステージ3)
- 生え際の後退が明確に
- M字型がはっきりする
- 一般的に「薄毛」と認識され始める段階
- 植毛を検討し始める初期ステージ
Type III Vertex(ステージ3V)
- 生え際の後退 + 頭頂部の薄毛も始まる
- いわゆる「つむじハゲ」の初期
- AGA治療薬の効果が出やすい段階
Type IV(ステージ4)
- 生え際がさらに後退
- 頭頂部の薄毛がはっきり
- 前頭部と頭頂部の間に「島」のような毛が残る
- 植毛の代表的な適応ステージ
Type V(ステージ5)
- 前頭部と頭頂部の薄毛が拡大
- 両者をつなぐ「島」がさらに狭くなる
- 2,500〜3,500グラフトの植毛が目安
- フィナステリドだけでは改善困難
Type VI(ステージ6)
- 前頭部と頭頂部がつながり、広範囲に薄毛
- 残っている毛は側頭部・後頭部のみ
- 植毛は可能だが、ドナー計画が重要
- 3,500〜5,000グラフトの大規模植毛
Type VII(ステージ7)
- 最終段階の薄毛
- 耳の上からU字状に毛が残るのみ
- ドナー資源が限られ、植毛の計画が難しい
- SMP併用やBHT(体毛植毛)も検討
各ステージの治療戦略
ステージI〜II:予防・早期治療期
- フィナステリドの予防的服用を検討
- 生活習慣の改善
- 植毛はまだ不要
ステージIII〜IIIV:積極治療期
- フィナステリド + ミノキシジルの併用
- 効果不十分なら植毛を検討
- 必要グラフト数:1,000〜2,000
ステージIV:植毛適応期
- AGA治療薬 + 植毛のセット治療が一般的
- 生え際のデザインが最重要
- 必要グラフト数:1,500〜2,500
ステージV〜VI:大規模対応期
- 植毛とAGA薬の併用必須
- 2回以上の植毛計画が現実的
- ドナー管理が最重要
- 必要グラフト数:2,500〜5,000
ステージVII:限定的対応期
- 広範囲のカバーは困難
- 生え際と頭頂部の「優先部位」の決定
- SMPやBHTの併用検討
- 現実的な期待値設定
ノーウッド分類の限界
ノーウッド分類は「前頭部・頭頂部」のパターン主体で設計されています。以下のケースには当てはまりにくい点があります。
分類しにくいパターン
- びまん性薄毛:全体的に薄くなるタイプ(アジア人に多い)
- 頭頂部だけの薄毛:ステージIIIVとIVの中間
- 非典型的な進行:ステージを飛ばして進行
- 女性型脱毛:別途「ルートヴィヒ分類」を使用
日本人の特徴
日本人男性のAGAは、欧米人と比べて:
- 生え際より頭頂部から進行しやすい傾向
- 進行速度が比較的遅い
- ステージVII(完全な馬蹄型)は少ない
- 「山の神分類(高島分類)」という日本人向け分類も存在
自己診断のポイント
ステージの見分け方
-
鏡の前で額のシワを上げる
- 生え際と元の位置の関係を確認
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つむじ周辺の写真を撮る
- スマホで頭頂部を撮影
- 地肌の透け具合を確認
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正面・側面・後頭部の3枚
- 全体像を把握
-
前年との比較
- 写真を定期的に残す
自己診断の注意
- 光の加減で印象が変わる
- 濡れ髪は地肌が目立ちやすい
- 正確な判断には医師の診察が必要
ステージ別の受診タイミング
| ステージ | 受診の優先度 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| I〜II | 低 | 経過観察 |
| III〜IIIV | 中〜高 | AGA治療開始を検討 |
| IV〜V | 高 | 薬物治療+植毛相談 |
| VI〜VII | 最高 | 植毛専門医への相談必須 |
まとめ
ノーウッド分類は自分のAGA進行度を客観的に把握するための基本ツールです。ステージに応じた適切な治療戦略を選ぶことで、最小限のリソースで最大の効果を得られます。自己診断はあくまで目安として、正確な評価は専門医の診察を受けましょう。
免責事項:本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。治療については必ず医師にご相談ください。



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